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#6 【続・ブラックワイフ】ほろ苦い2年前の炎上劇と再会

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2017年の年末から再び同居して3ヵ月が経とうとしていた。

最悪の家計状況はつづく

結局、オレの給料は全部ヨメに渡すことになったのだが、その家計管理状況は最悪を極めようとしていた。
ヨメに渡しているオレ名義のクレジットカード会社からは引き落としができず、オレの携帯へと催促の電話が入りその都度ヨメにラインで報告していた。車の税金、固定資産税は滞納され役所からも電話がくる。電気が止まったこともあり、家電話やインターネット、そして携帯電話が不払いで止まったこともあった。まぁ最低限のライフライン(電話やネットなど)なんかの家族が困る物に関してははすぐに支払い対応をしてくれたが、それ以外は放置されていた。ヨメに渡していたクレジットカード関係は資格剥奪寸前でオレが騒いでやっと払ってくれたが、税金関係はそのまま放置されていた。
どうなってんだと問いただしてもオレの「給料が少ないから仕方がない。」としかヨメは基本的には言わなかった。それを言われるとオレもそれ以上は何も言えなかったし、言う気にもならなかった。

それでも子供の前で話し合いをすることは避けたかったのと、夜飲みに行ってしまうことが多いヨメとの会話するタイミングは少なく、問題が解決する見込みは立っていなかった。
オレ自身の信用情報を傷つけたくなかったのもあり、オレはカードローンで借入してとりあえず建て替えるからということで、それぞれの支払いに当てた。税金の支払いは信用情報には関係ないが、滞納が続いていたため給料差し押さえ通告が出される寸前まできていた。
そんな中で、3月に臨時ボーナスが出たので、一部借金返済に欲しいと話をしたが、他の支払いがあるからと一切オレに金を渡すことはなかった。

✳︎

2年間音信不通だったマイメン康夫とのほろ苦い炎上劇

友人の田無康夫との付き合いは断続的にだがもう20年以上前からだった。学生の時に意気投合して仲良くなった数人の友人のうち結局付き合いが残っているただ一人の親友、マイメンだ。
しかし、ここ2年ぐらい連絡をとっていなかったのだが、オレが2017年末に別居したタイミングを見計らったかのように電話が入ってきた。これは本当に偶然だった。

というのも、そんなマイメンの康夫とは2年前に後味の悪い別れ方をしていて若干気まずまま連絡をとっていなかった。

康夫は不動産の営業をしていた。不動産でも色々あるが、都心の新築ワンルームを中心とした営業だった。簡単に言うとドカっと儲かるわけでもないがドカッと損するわけでもないローリスクローリターンなもので、方向性としては節税しながら無理なく資産形成をしていくような内容のものだった。

その当時、オレはというとヨメに家計をガッツリ握られ、聞けば貯金も一切ないという状況の中で、将来的に何かしら資産形成はしておきたいという思いが潜在的にあったし、サラリーマンをやっているメリットとして、ローンが比較的簡単に組めることが利点だという認識があった。このメリットを活用したかったのだが、そういった資産形成のための投資については業者選びや投資対象の選択が難しそうなので、そういったことに時間を掛けられずに漠然とサラリーマンのメリットを最大限に活用したいとは思っていても何もできずにいた。

久しぶりに会ったきっかけは2年前に学生時代の別の友人と通勤の乗り換え駅で偶然ばったり会って、康夫も誘って飲みに行こうぜ。となったのだった。
そして近況報告をしていく中で、投資や資産形成をしたいオレと不動産営業マンとして物件を売りたい康夫。二人の利害が一致して、その後意気投合していった。

オレの信用情報があまりよろしくないこともあり、話はなかなか進まなかったので、オレが顧客の紹介をする窓口としての付き合いだったが、康夫があの手この手を尽くしてくれて、オレ自身も物件購入のためのローン審査が通り、さらに友人価格ということで最高レベルの値引きを含めた破格の条件を提示してくれた。

しかし、懸念点はヨメだった。オレはまともにこの件を相談したとして、了承するようには思えなかったのだ。
ヨメバレをしない形で話を進められるのか?
という問題に対し康夫は問題ないと、最大限バレないように話を進めてくれたのだが、商談が成立した後に、自宅に届いた購入した物件の火災保険の証券をヨメが開封し、これはなんなんだ?という形で結局はヨメにバレてしまったのだった。

まぁバレるのはある意味想定内だった。バレたとしてもその時点でちゃんと説明をすればわかってくれると考えていた。別に悪いことをしているわけでもないという自負はあったし、康夫の破格の値引きの対応によりオレのこづかいの範囲で十分収まるような内容になっており、家計を痛めることもない。そもそも家計からの持ち出しは期待していなかったのもある。そして物件の内容は投機的な性質のものではなく、将来的な年金の補助として家賃収入が入るようになるといったものだった。
バカ儲かるわけではないがリスクは極めて少なく、有事の時の回避方法はシュミレートできていたし、その可能性も過去事例からすれば極めて低かった。
しかし、ヨメにそういった内容を説明する以前に、この件に関しては全く聞く耳を持たなかった。そして、取引がなかったことにするために全力でヨメは動いた。
とどのつまり、気に入らなかったのである。


康夫は詐欺師でオレは詐欺師に騙された被害者。
ヨメの解釈としてはそれ以上でもそれ以下でもなかった。

ある程度の察しはついていたものの、アナフィラキシーショックと言えるレベルの不動産投資アレルギーを持っていたヨメは、破格の値引きでの提示を受け、商談成立したことについて知り合いの不動産業界関係者と連んで違法性を主張し、契約の解約を求めた。白紙に戻そうとしたのだ。
そんなヨメを抱えるオレは、破格の条件で契約させてくれた康夫とその上司や会社に対して、恩を仇で返す形になった。

オレとヨメとでは話が全く噛み合わず、というよりもう何も聞いてくれなかったという以前に言わさせてくれなかった。なぜかヨメは子供達、ヨメの両親までも巻き込み、この件を大炎上させた。

そしてオレは康夫と電話やLINEでも一切の連絡を取らないことを約束させられ、家族を取るのか不動産を取るのか(離婚するのか)の二択を迫られた結果、オレは家族を選択した。この炎上劇を鎮火させるためにオレはヨメの言いなりになるしかなかった。

結果として家族にとってヨメにとって、もちろん自分にとってもだが、良かれと思って進めた話が、結局は自分のことしか考えていない自分勝手な父親と、その友達の詐欺師康夫と詐欺集団の会社。それらを退治し成敗して家族を守ったヨメという図式ができあがったところで炎上は鎮火し収まった。

オレは康夫に合わす顔がなかった。反対しているのがヨメだったとはいえオレはそのヨメの夫だ。対外的にはオレが全てひっくり返したということになる。

炎上劇から気付けば2年

それから2年が経とうとしていた。オレは康夫に連絡できないでいた。唯一のマイメンを失ったと思っていた。そんな中で2017年の冬、ちょうど別居をし始めたタイミングで、康夫からの着信履歴が残っていたのに気づいたのだ。
なんなんだろうと思いながらも折り返しの電話をできないでいた。気まずかった気持ちは消えていなかった。オレが逆の立場だったら、相当嫌な思いをしただろう。ただの間違い電話かもしれない。2〜3日後オレは恐る恐る2年間トーク画面が空白になっていたLINEで
「電話くれた?」
と送信した。



【つづく】

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