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【Uber Eats】ウーバーイーツユニオン結成〜ストライキ権という竹ヤリをロトの剣にできるか?〜

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Uber Eatsユニオン、労働組合に興味があるみなさんこんばんは。

www.ubereatsunion.org

ウーバーイーツ ユニオン結成おめでとうございます。

まぁオレは副業勢ですのでユニオンに加入することは無いんですけど、どんなことをやっていくのかという動向としてはそれなりに気になります。
HPや議事録も目を通しましたが簡潔で、かつしっかりしててとても良い感じですね。プロ野球の選手会の例えなんか、わかりやすくていいと思います。

かくいうオレも実は労働組合の幹部を数年間勤めたこともあるので、労働組合がどういう組織なのかは普通の人よりは知っている身です。
Uber Eatsが成り立っているシステム、構図の中で、つまりは顧客の注文を裁く元請けの発注者Uberと個人事業主の配達員との関係の中で組合を結成するという形はかなりレアだと思う。
というか、レアなのはそういう関係性の中で組合を結成する意味がなかったからなのかもしれない。
通常、元請け(Uber Eats)と末端の個人事業主(配達員)の間には一次下請けが入って調整弁になったりするもんだが、Uber Eatsの場合これが完全にアプリで無人なので確かに個人事業主の配達員が団結して直接Uber に対して声を届けなければならないということは、まぁ自然な流れなのかもしれない。
労働組合とはなんぞやとか過去の歴史を詳しく語り出すと長くなるし、オレ自身そこまで詳しくないので、こんなもんにしてダラダラとは書きません。

そんな前例のない中でまず何をやるべきか、何ができるのか、何を期待するのかなんて視点で思いつきの雑感レベルですが書いてみようと思います。

ストライキができないと結局意見は通らない

労働組合の最大の武器、それは「ストライキ権」だと思います。いや、ストライキ権なはずだ。
これは実際権利行使するとなると諸刃の剣なので、行使しないにしても持っているといることが重要。
ただ、これは仮にウーバーイーツの組合員が100人いたとして、100人でストを行ったとしても影響力は限定的というか無に等しいと思う。
ユニオンが仮に団体交渉まで行って、要求を拒否られ妥結しない状態でスト宣言しても、「お好きににどうぞ」と言われて終わりである。

組合員を増やすことができるか

上記のストライキが意味をなすようにするには組合員の加入率、加入者数を増やすしかない。仮に登録しかしてない幽霊配達員を除く実際稼働している配達員を母数として30%ぐらい加入して統制が取れればだいぶ影響力が出てスト権に意味が出てくるんじゃないかと思う。いや、ほぼ毎日やってる専業だけでも集まれば20%でもやり方次第では効果、影響力があるかもしれない。Uber も無視できなくなるはず。
しかし、配達員がどれぐらいいるのかという母数の情報も得なければ組合加入者が何%程度になっているのかを把握するのは難しいし、その情報はUber 側は出したくないんじゃないかな。

そもそも、組合に加入する本質的な動機とは、終身雇用で定年まであるいは長期間この仕事、会社と付き合おうと思っているから。この業界、仕事が好きだから。そして会社が好きだから。といったことだと思う。
その点、ウーバーイーツの仕事の性質上、この仕事で定年までやって行くのか(そもそも雇用じゃないので定年という概念もないが・・)、あるいは長くやるのかを考えた時、何を動機に加入するのかは少々懐疑的だし、そのあたりの加入に対する魅力づくりは課題なんじゃないかと思う。
そして加入者あっての組合なんで、これがどんだけ発展できるかのカギになるだろう。

広報力を使えるか

要は騒ぐ力だ。
ストライキ権が意味をなさないとなると当面はこれだろう。
Uberと配達員の間で何か問題があった時、組合に加入していない配達員であればUber サイドとしてはその問題を何もなかったことにすることは可能だ。
配達員が騒いでツイッターで愚痴ったところで、せいぜいその内容がRTされて配達員界隈に広まる程度で終わる。それこそ「嫌なら辞めれば?」って話も出るだろうし、ほとぼりが冷めればUber としては通常営業になんの支障もないだろう。
ここで問題の対象が組合加入の配達員となれば情報を吸い上げ、一定の影響力のある組合のHPやツイッターアカウントなどで騒げばメディアに取り上げられニュースになる可能性もある。悪いニュースが広まることはUber も歓迎しないだろう。
そうなれば組合のことを無視もできなくなるはずだ。
ただ、これはUber に落ち度があり、仮に対応が悪かったその問題自身に対してである。よってこれで団体交渉が通るようになるとかは別問題だ。
Uber がちゃんとやってれば何も問題は起こらないし、広報力も出番はないだろう。

まとめ

まぁそうは言っても、立ち上がったばかりなんでこれから試行錯誤して進んでいくんだろうと思います。
そして組合が立ち上がるということは、それなりにUber Eatsのビジネスが世の中に認められたという解釈もできると思うし、実際そうなんだと思います。
見据えているのがすべてのプラットフォームワーカーに対してということなので、ゆくゆくはUber Eats配達員以外の個人事業主も巻き込んでいったりするのかもしれません。
今回配達員に対する補償がユニオンの要求の先を越されたような形でUber Eatsから告知がありましたが、(たまたま偶然だったかのかもしれないが)こういった話が事前にウーバーイーツ ユニオンに打診を受けるようになるような状態になれば組合も本物と言えるんじゃないかと思ってます。

good luck!