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#11【続・ブラックワイフ】アリバイ工作と照合

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お食事会とキナ臭い二次会

2018年3月週末の土曜日。世間はは春休みに入っていた。
末っ子のひきつけが落ち着いた一晩明けたその昼。高学年組の娘は彼氏と、ヨメと3人でお食事会で初顔合わせ。つまりは親の紹介をするらしい。14:00ごろと遅めに出かけていった。
なんでメンバーにオレが入ってないのか・・・まぁそれはいい。
夕方にヨメが一人で帰ってきた。しかしランチタイムが終わり店が閉まってしまったので、別の店に娘と彼氏が待っているというのでまた出かけるという。
二次会ってところか・・・。そう思ったがなんとなーくキナ臭さを感じた。
その後案の定20:00過ぎても帰って来ず。晩飯がどうなるのかと携帯、LINEで連絡するも音信不通。
仕方なく一緒にいるはずの娘の携帯に電話をかけると娘はでた、嫁について聞いてみると・・・
「ママも一緒にいるよ」
確かにそういっていた。
一緒にいるならまぁいいかとその時はそのまますぐ電話を切ったんだが、解せない。娘だって彼氏だってその母親と2〜3時間ならまだいいが、盛り上がったからとはいえ6〜7時間も飲み続けるもんか?
電話を切った後、オレはコンビニに行くついでにハマの番長のマンションの駐輪場を見にいった。
念のための確認をするためだけだった。

アリバイ工作とかマジか・・

すると、いつものようにやっぱりそこにはヨメの自転車があった。
アリバイ工作のために娘にもウソをつかせたんだろう。まぁ娘は責められない。頼まれて答えたんだろうから。
おそらく二次会なんてなくて夕方に帰ってきてからハマの番長に会いにいったんだろう。
その夜、娘は深夜に帰ってきたが、途中でヨメの友達と合流してつまんなくなったから先に出てきたと言っていた。その後どうなったかは知らないらしい。
日付変わって2:00ごろにヨメから(今から帰ります)LINE。
即レスで(どこにいるの?)と返すも返信なし。次の連絡は5:00ごろ行きつけのスナックのある場所にいるとのLINEが入る。
オレはその後さすがに寝てたが、結局7:00ごろに帰宅した模様だった。
朝というか昼前に起きた時に昨晩の流れがあまりに連絡が少なく、その上朝帰りだったのでヨメにヒアリングした。
最終的にはいつものスナックで飲んでいたという話だったが、説明はあまりにもあべこべだった。ツッコミどころはいくらでもあるし、内容も理解できなかったが、もうこの時点でしばらく泳がすことにしようと思っていたので一通り話しを聞いたらそれ以上は聞かなかった。何よりこの時点でのオレはハマの番長のところにしょっちゅう行っている、入り浸っているという証拠を集めようと考えていた。つまりはもう夫婦関係はダメなんじゃないかと考えていた。

照合

まずは、マンションは突き止めているので、部屋番号を特定したかった。しかしそれを確認するには、部屋に入っていくところまたは出てくるところを確認する必要がある。おおよその部屋の位置までは予想できていたが、部屋番号までは確認できていなかった。
部屋番号を特定さえできればなんとでもできる。男の身元もわかるし、ガサ入れだって可能だ。そう思って我慢してヨメを泳がすことにしていた。
昨晩末っ子がひきつけを起こしてまだ本調子でない状態にも関わらず、この有様だ。許せない思いはあった。相当あったが今騒いでもしらばっくれられればそれ以上話しは進まない。機は熟してないと見ていた。

そして、昨晩偶然明け方にあったという浜ちゃんの彼氏を名乗る男について、素人探偵康夫と男の特徴について照合をした。写真はないのでオレと康夫の見た目の印象だけでの照合だったんだが、どうやら同一人物の可能性が高かった。つまりハマの番長=浜ちゃんの彼氏(内縁)ということになる。
信じがたかった。詳細の関係はわからんが、内縁の妻、自称彼氏を名乗る男がその親友とも言える女、しかも子持ちの人妻(つまりはオレのヨメ)とよろしくやれるのかと。オレの中でそれだけが引っかかっていた。信じがたかったが可能性は高いとも思っていた。そしてもし仮にそうだとするならば、その男は相当腐っているなとも思っていた。

とどまることを知らないエスカレートする朝帰り

その翌日、オレが会社の飲み会から帰ると小5の息子が一人で帰ってきた。今度は子供を3人連れてヨメはその友達、つまりは番長と一緒に焼肉に行ってきたらしい。残りの2人の子供とヨメはそのまま友達の家に泊まるとLINEが入ってきた。
オレは一人帰ってきた息子に、焼肉に一緒に行ったヨメの友達について聞き出すことにした。
息子は何を聞いても基本
「よくわからない・・・」
しか回答しなかった。おそらくヨメに口止めされているようだ。
その友達の名前を聞くと、
「たぶん・・・鈴木って名前だと思う」
と答えてくれた。口止めされている中であまり根掘り葉掘り聞くのもかわいそうだったし、鈴木というありふれた名前がすんなり出てきたのも不自然なのでひょっとしたら偽名かもしれない。そんなことを考えていた。

そしてさらなる証拠を固めるために、オレはGPSをレンタルすることを決意した。

【つづく】


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